Gitの内側

あなたは前の章を飛ばしてこの章に来たのでしょうか、あるいは、この本の他の部分を読んだ後で来たのでしょうか。いずれにせよ、この章ではGit の内部動作と実装を辿っていくことになります。内部動作と実装を学ぶことは、Git がどうしてこんなに便利で有効なのかを根本的に理解するのに重要です。しかし初心者にとっては不必要に複雑で混乱を招いてしまうという人もいました。そのため、遅かれ早かれ学習の仕方に合わせて読めるように、この話題を最後の章に配置しました。いつ読むかって? それは読者の判断にお任せします。

もう既にあなたはこの章を読んでいますので、早速、開始しましょう。まず、基本的にGit は連想記憶ファイル・システム(content-addressable filesystem)であり、その上にVCS ユーザー・インターフェイスが記述されているのです。これが意味することを、もう少し見て行きましょう。

初期のGit(主として1.5以前)は、洗練されたVCS というよりもむしろファイル・システムであることを(Gitの特徴として)強調しており、それ故に、ユーザー・インターフェイスは今よりも複雑なものでした。ここ数年の間に、あらゆるシステムのユーザー・インターフェイスはシンプルで扱いが簡単になるまでに改良されました。しかしGit に対しては、複雑で学習するのが難しいという初期のGit がもつ固定観念に縛られているのがほとんどです。

連想記憶ファイル・システム層は驚くほど素晴らしいので、この章の最初にそれをカバーすることにします。その次に転送メカニズムと、今後あなたが行う必要があるかもしれないリポジトリの保守作業について学習することにします。

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